最近、米国のEVメーカー、テスラ社の事故がニュースで話題となったが、その一方で未来のクルマ、自動運転車への期待はまだまだ衰えず関心が高まっている。その背景には、高齢化や地方の過疎化といった、日本社会の変化もある。自動運転車の未来とビジネスチャンスについて考えてみたい。

オリンピックまでに「完全自動走行」を目指す

 

まず現在、日本、米国ともに、自動運転車として市販できるのは米国運輸省道路交通安全局の自動運転定義の「レベル2」までとなっている。これは完全自動走行ではなく、運転支援が主な目的。加速・操舵・制動のうち複数の操作をシステムが行う状態で、ドライバーの監視下で走行することが前提とされている。先述のテスラの自動運転車もレベル2で、いわゆるクルーズコントロールのようなシステムだった。わき見運転などは、ドライバーの責任の範疇というわけだ。

一方、日本では昨年、国家戦略特区のプロジェクトの一つとして「完全自動走行(レベル4)の実現」が発表された。目標は、2020年のオリンピック開催までに、完全自動運転走行技術を実用化すること。今年2月には自動運転車両を使った「ロボットタクシー」の実証実験が、神奈川県藤沢市で行われた。

「ロボットタクシー」にみるコンテンツ力

 

先日、その「ロボットタクシー」をDeNAとともに立ち上げたベンチャー、ZMP社長の谷口恒氏に取材でお会いする機会があった。ロボットタクシーは、スマホを使って自動運転車を呼び出し、決められたエリアを無人走行するというもの。いわゆる「Uber (配車アプリ)」の無人走行版だ。

谷口氏に日本の自動運転車の未来について聞いてみると「日本の自動運転車が今後、世界と戦って生き残るためには、技術だけではダメ。社会が何を必要としているか? 社会に合わせたコンテンツまで考え開発していかなければ勝ち残れません」との答え。

高齢化社会での交通弱者のサポート、スマートフォンの普及、地方の過疎化対策など、これからの社会を考えた上で、どうクルマを動かし、街や人とどうつなげるか? それはもはやコンテンツ産業の領域だ。そこに今後のビジネスチャンスもあるのでは。

スマートシティ、横浜ならではの都市×ITセンスが活かせる機会かもしれない。

(一般社団法人スマート・ウィメンズ・コミュニティ代表理事 東みちよ)