(fm yokohama keep green & blue より転載)logo2
2015年9月26日、東京都の三菱総合研究所で「第4回 ヨコハマ ブルーカーボン アカデミー セミナー」が開催されました。今年6月からスタートして4回目となる今回のセミナーでは、岩本淳さん(八千代エンジニヤリング株式会社 技術開発部 主任)、黒川和彦さん(横浜市漁業協同組合 組合長)、酒井信治さん(世界トライアスロンシリーズ横浜大会事務局)を講師に迎え、「横浜ブルーカーボンの先駆的事業」をテーマに講義が行われました。

横浜漁業協同組合と横浜八景島は、「わかめの地産地消」などによるCO2削減効果を活用し、2014年9月28日開催の横浜シーサイドトライアスロン大会の開催で排出されたCO2のカーボンオフセットを行いました。カーボンオフセットとは、ある場所で排出された二酸化炭素などの温室効果ガスを、クリーンエネルギー事業(排出権購入)などによって、他の場所で直接的、間接的に吸収しようとする活動のことです。今回のセミナーでは、この件を中心に話が展開されました。

岩本さんは2011年から横浜ブルーカーボン事業に携わり、その成果を国内外で発表しています。岩本さんは「横浜は、海草のCO2吸収だけではなく、親しみやすい海づくりをして横浜のブランドを高めていこうということでやっています」と説明し、「しかし、課題も多くあります。市民の皆さんに参加してもらうような仕組みづくりが必要だと思います」と述べました。

横浜市金沢区で漁業を営んでいる黒川さんは、のりやわかめなどの養殖も行っています。黒川さんは「わかめは環境にもいいし、体にもいい。私はこの仕事を30年やっていますが、正直こんなに価値あるものとは今まで知らなかったです」と白い歯を見せ、「私自身は当たり前なことをやっていただけですが、今後もいろんなことをやっていきたいし、皆さんとシェアしていきたい」と熱意を明かしていました。

酒井さんは横浜シーサイドトライアスロン大会でのブルーカーボンの取り組みを説明しました。大会では参加者に趣旨説明を行った上で環境寄附金付きのエントリーをしてもらったそうです。結果、大会出場総数の64.9%が賛同を得たそうです。また、世界トライアスロンシリーズ横浜大会でも参加選手を巻き込んだカーボンオフセットを実施。賛同率は71.8%だったそうです。酒井さんは「トライアスロンは良好な自然環境がないとできない。少しでも環境社会に貢献していきたいと思います」と意気込みを語っていました。

■パネルディスカッションと質疑応答

講師として今回お話しされた3人に、刑部真弘さん(東京海洋大学 教授)と信時正人さん(横浜市温暖化対策統括本部 理事)が加わり、東みちよさん(一般社団法人スマート・ウィメンズ・コミュニティ 代表)がコーディネーターを務めてパネルディスカッションも行われました。

黒川さんが「僕は親が漁業をやっていて、やれって言われてこの仕事を始めました。横浜ブルーカーボンは僕らにしたらチャンス。今年は『ブルーカーボンわかめ』と名づけて売ろうかなと思っています」と笑い、「育てて売るまでが僕らの仕事。お金もほしいけど、美味しかったという言葉が一番ほしい」と話しました。岩本さんも「ブルーカーボン事業が広がるには、お金がまわることも必要なことです」と付け加えていました。

酒井さんがトライアスロン大会のカーボンオフセットについて「やっていくに選手の意識情勢ができていくのかなと。これは余談ですけど、完走した皆さんに『完走わかめ』というのを売ろうかと、黒川組合長と雑談ではありますが話していたところなんです」と明かし、参加者から笑いを誘っていました。

今回のセミナーでは、市民1人1人の意識が社会を変えるきっかけになるということを学びました。黒川さんが「僕らの世代は、言葉よりも結果。とりあえずやってみること。結果は後からについてくる」とお話されていたのが印象的でした。

(Keep Green & Blue Web編集部)